◇病気の活かし方

病気をチャンスに変える「七観行ななかんぎょう

先に、病気は、よろこべていなかった、いままでの人生を気づかせる警鐘であると述べました。それでは、その人生の生きざまの間違いに気づいたとき、その間違いを正すために何をすればいいのでしょうか。

その生きざまを正す方法が、天から示された「三法行さんぽうぎょうの実践」であり、「頭を取る」ということです。その詳しい内容は、拙著『大自然の法則で人生大逆転』に譲りますが、ここでは、その「三法行さんぽうぎょうの実践」に含まれていて、いますぐにできる簡単な「七観行ななかんぎょう」についてお伝えします。

七観行ななかんぎょうとは、以下に書いた7つの言葉を声に出して吐くというぎょうのことです。

一、健康あふれた楽しい毎日です。
二、家族全員がゆたかで明るい毎日です。
三、希望にみちあふれた繁栄一筋の毎日です。
四、よろこびがいっぱいの毎日です。
五、感謝にみちた幸せな毎日です。
六、いつも楽しく三法行さんぽうぎょうをやらせていただく毎日です。
七、親切あふれた生かしあいゆるしあう毎日です。

一度、この7つの言葉を口に出してみてください。

いかがでしたでしょうか。

いたって簡単な、あたりまえの言葉ですね。

じつは、この7つの簡単な言葉を具現化した存在こそ本来の人間の姿であり、人間完成を成し遂げた究極の姿であり、人間という存在の本質的なあり方がここにあらわされているのです。

この本来の人間の姿は、すべての人が誕生と同時に与えられているものなのです。つまり、いまたとえ病気であったとしても、病気という状態の底深くには、この本来の姿が必ず潜在しているのです。

七観行ななかんぎょうの「一」に「健康あふれた楽しい毎日です」とあります。

すると、病気に悩んでいる人が必ずこう質問します。

「私はいま病気なのに、『健康あふれた楽しい毎日です』となぜ言わなくてはならないのでしょうか。『健康あふれる楽しい毎日にしてください』ならわかるが、それでなければ嘘をいうことになる」

しかし、それは間違っているのです。なぜなら、本来の人間は健康そのものなのですから。目に見えないところには、健康だけがあるのです。そのように、「天」から命というものを授かっているのです。

ところが、「苦」を刻み、自分勝手に病気をつくってしまい、それを「苦」にして、さらに病気を悪化させていきます。さらに、「その病気を治してください」と言葉に出して言うと、さらにもう一つこだわりの「苦」を刻むことになるのです。

病気という現状をそのままに、「健康あふれる楽しい毎日です」と、「本来の自分の姿」を素直に言える生活になれば、いやでも病気は去っていくのです。

健康が欲しいから言うのではなく、「本来の自分の姿」を堂々と口に出して言える自分になることが大切なのです。

「本来の自分」を口に出して吐くこと、それが「ぎょう」なのです。

「本来の自分」を口に出して言っていると、見えないものが見えてきます。

「健康あふれる楽しい毎日です」と吐くと、病気であっても病気が「苦」にならなくなります。病気である自分にこだわらなくなるのです。

人間は、「首から下」の無意識の「おもい」にすべてが備わっています。それを引き出すことが大切なのです。その「本来の自分」を引き出す方法が、七観行ななかんぎょうをただ繰り返し吐くという行なのです。

人間は吐いた言葉のとおりを、また吸いこみます。「嫌だ」という言葉を吐けば、その「嫌だ」を吸いこみます。それを繰り返せば、現実は吐いたとおりの「嫌な」現実になっていくのです。

だから、よろこびを表現した七観行ななかんぎょうを思いきりはらの底から吐くことを毎日繰り返せば、これが現実を好転させてゆくことになるのです。

七観行ななかんぎょうは平易で、やさしい文章なので、覚えてしまえば、散歩や掃除をしながらリズミカルに吐くことで楽しくなります。

たとえ病に苦しんでいても、貧苦で疲れ果てていても、この七観行ななかんぎょうの言葉を繰り返して吐きます。願わず、求めずに、「このいまが最高である」という7つの言葉を吐き続けるエネルギーは、じつに大きいのです。

私たちは目に見えることのみを現実であると思うのに慣らされ、自分のなかに眠っているほんとうの人間に気づきません。目に見える不幸な出来事を唯一の現実だと思いこみ、それが実体のない虚像であることに気づかないのです。

七観行ななかんぎょうは、このように閉ざされている人間の真実を見る目を、一気に開かせてくれます。

この七観行ななかんぎょうを、場所や時間、何にも拘束されず、心のおもむくままに自由に口ずさみます。身辺のよろこびと、ささやかな感謝の心とを、この7つの言葉に乗せて楽しく明るく、繰り返します。

七観行ななかんぎょうが自然に口をついて出てくるようになったときには、病気にこだわる自分から解放され、新たなスタートがきれるのです。